第五使徒

シュヴァリエ・モンラッシェ 2000

シュヴァリエ・モンラッシェ 2000

孤高の頂きに立つ白

孤高の頂で、全てがひれ伏す瞬間を思う

国
フランス
地域
ブルゴーニュ(ピュリニー・モンラッシェ村)
葡萄
シャルドネ100%
年代
2000年
生産者
ミシェル・コラン・ドレジェ
登場シーン
第18巻 #169、#170
酸味タンニンボディ果実味余韻複雑さ68/ 100

総合 68 / 100

神咲豊多香の手紙

私は今、孤高の頂に佇んでいる。この清冽なる待機、今、私の頭上には空の他、何もない。眼下の峰、総てはひれ伏すように横たわり、岩肌に張りつく白銀は絹のドレスを纏うかのように滑らかに輝いている。ふいに涙がこみあげた。その意味を探るべく私はこの頂に至るまでの道程を振り返った。常に困難でありながら堪えきれぬほどの希望、そして何より魔物に魅入られたような執念に駆り立てられ私は頂を目指したのだった。朝日に色づきはじめた高峰を見上げながら第一歩を踏み出した。挑む者を試すような静けさ、巨人はただ見下ろすのみだ。私は「ドン・キホーテ」のように挑みかかる。はやる気持ちを抑えながら、踏みしめるように頂を目指す。するとどうだろう。山は刻々とその表情を変え、時に笑顔、時に穏やかさを見せ、そして時に荒ぶる魂をもって牙を剥く。しかし私は諦めない。理想と希望、そして魂の求むるがままに私は岩にしがみつき滑る雪を踏みしめ、ひたすら高みを目指してゆく。あと少しあと少し、魂は飢え、渇き、聳え立つ頂以外、何ものも目に入らない私を嘲るように山は巨大でそして美しく沈黙している。絹のヴェールに覆われたような頂上は時折、視界に現れてはまた消え近づいたと思えば逃げ水のようにまた遠ざかる。ああ山よ。お前は魔物か。それとも神なのか⁉︎どれだけの時が流れただろう.....私の手は気がつくと頂をつかんでいた。辿り着いたのだ私は。なんという至福、なんという透明。豊かさも冷たさもこの世の複雑さも、あるいは優雅さも。この頂から総て鳥瞰できる喜び。私はそれを胸いっぱいに吸い込み、そして山を後にした。遠く高嶺を望めるところまで来て私は振り返った。孤高の頂は再び神秘に包まれ私を誘っていた。「もう一度いつかまたおいで、今度こそ教えてあげるから」。私は確かに聞いた。あれは幻だったのか?あの光景の総ては夢幻に過ぎなかったのか。それを確かめるために、いつかまたあの孤高の山を目指したいと切望せずにはいられない。今あの孤高のワインを飲む時に、ただひとつ言えることがある。いかに高い理想を持ち、いかに大きな期待を胸に味わったとしても、そのワインには決して失望することはないだろう。

テイスティングノート

ミシェル・コラン・ドレジェのシュヴァリエ・モンラッシェ、2000年のヴィンテージなんだよ。ブルゴーニュのピュリニー・モンラッシェ村から、この一本は特級畑で育ったシャルドネ100%で造られているんだ。ブルゴーニュのワインを語るなら、この一本は外せないよね。

第18巻に登場するこのワイン、漫画でも特別なシーンで紹介されているんだ。あの物語の中で、どんな風にこのワインが登場するのか考えるだけでワクワクするよね。まさに使徒級の逸品として、物語に深みを与えてくれる存在なんだ。

じゃあ、開けてみようか。液面を傾けると、黄金がかった深い色合いが美しい。香りはまるでオーケストラみたいに、熟した白桃やアプリコットの豊潤なアロマがふわっと広がるんだ。そして、少し時間を置くと、アカシアの蜂蜜とバナナブレッドのような甘くコクのある香りが追いかけてくる。

口に含むと、そのまろやかなテクスチャーと、しっかりとした酸が絶妙なバランスを見せるよ。ミネラル感がしっかりとしていて、飲み終わった後にも長く続く余韻がたまらない。これこそが、特別な機会に相応しいワインだね。