神の雫

十二使徒

← 十二使徒

第八使徒

ジャック・セロス・キュヴェ・エクスキーズ NV

ジャック・セロス・キュヴェ・エクスキーズ NV

ジャック・セロスが紡ぐ、物語に刻まれた一口

第27巻 #260〜

フランス
地域
シャンパーニュ
葡萄
シャルドネ
年代
NV
生産者
ジャック・セロス
登場巻
第27巻 #260〜
626677酸味タンニンボディ果実味余韻複雑さ57/ 100

総合 57 / 100

神咲豊多香の手紙

このワインは「出会い」である。出会いは常にときめきと躍動をともなう。人は人と出会うことでしか変わりえ図、新たな道を見出すこともできない。ただその出会いが異性であった場合、人は時に叶わぬ想いを胸に秘め、ただ遠くから見つめることだけで満ち足りたひとときを過ごすだろう。一瞬のときめき、強さと優しさと激しさと静けさと、きりりとした自尊心とたおやかな女性らしさを兼ね備えた横顔、私にはわかっている。あなたは優しさを渇望している。ただあなたの求める優しさは今の私には到底、手が届かない。ああ美しき人よ。見つめるものを陶酔させる笑顔は甘く、そして切ない。控えめでありながら凛と背を伸ばし、まっすぐに目を見つめるあなたは、その内面に獣のようなエロスと聖女のような高潔さを兼ね備えている。あなたは常に歩んでいる。あなたは留まらず何かを目指している。その何かが私にわからないのは、私がまだ未熟だからであり、決してあなたのせいではない。なぜならあなたは太陽と大地と、そして風のただなかに生きているから。ゆらゆらと黄金の髪を風にたなびかせ、あなたは自信に溢れ、私を振り返る。「ついておいで来られるものなら」。そのワインは一人の女性であり、一本の樹である。広々とした草原に佇むその一本の樹は、風を受けて常に揺れ動いている。ざわざわざわざわと生い茂る葉は風に揺蕩いながら、降り注ぐ太陽に煌めいている。その樹は私の総てを沈黙を持って受け入れてくれる。ああ青春のひととき、私を虜にしたワインよ。あなたは手を差し伸べればそこにいた。しかし決して届くことはなかったポートレートの中の「マドンナ」である。

聞いとけ。グラスを傾けた瞬間、これはただの赤じゃないと鼻が先に吠える。酸と果実が押し合い、タンニンが背骨になって、余韻がなかなか帰ってこない。ジャック・セロス・キュヴェ・エクスキーズ NV(NV)——飲んだら誰かに話したくなる、そういう熱量の一本だ。